平均への回帰2 ほめても叱っても結果は同じ

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』上 行動経済学

今日はあまり認めたがらない方が多い話だと思います。受け入れがたいとは思いますが、最後までお読みいただけると大変ありがたく思います。

昨日のブログで、出来不出来は平均値に戻りやすいことを述べました。なぜできなくなったのか、なぜできるようになったのか、理由づけをしても意味がない、という話です。今日はこれを人間関係や自信の問題につなげて考えます。

このブログで何度も登場しているカーネマンは『ファスト&スロー』のなかで興味深いエピソードを挙げています。

カーネマンはイスラエル軍で心理関係の仕事をしていたこともあり、空軍の教官から興味深い話を聞いた、とのことです。

訓練生が上手に曲芸飛行をやるとほめる、するとつぎはうまくいかない。訓練生が下手に曲芸飛行をやると叱る、するとつぎはうまくいく。

平均への回帰

平均への回帰、の考えを使えば当たり前の話です。訓練生の腕前は平均値よりよくなれば下がる傾向があり、平均値より低くなれば平均値に近づくのです。となれば、ほめるても叱っても結果は同じ、ということです。

そして、ここからが肝心です。人間の能力について、「ほめると下手になる、叱ると上手になる」という関係は成り立たないわけです。そしてこれを信じ込んでしまうと、「ほめると調子に乗って下手になる、叱ると上手になるのなら、ほめるのをやめて叱り続ければよい」という話になると、人間関係に支障をきたします。そればかりか、モチベーションが下がり、意欲の低下にもつながります。最近では体罰等が社会的にも大きな問題になっていますから、このことは重大といえるでしょう。

人間はこの「平均への回帰」を繰り返しながら上達し、成長するものです。人と自分を信じること、温かく見守ることが大切になります。

部下の指導を厳しく行ってきた方にはとても不快に感じるかもしれませんが、これが現実なのです。

それでも、「叱るときには叱らないといけないではないか」とおっしゃる方がいらっしゃると思います。当然です。とくに仕事では叱るときには叱ることが大切です。そして、もう一つ、叱る前にやることがあります。それが何なのか、明日また一緒に考えましょう。

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