昨日はカーネマン『ファスト&スロー』から問題を出しました。まずその確認からします。

1.ニューヨークの地下鉄で、ニューヨーク・タイムズを読んでいる人を見かけたとします。この人は以下のうち、どちらの可能性が高いでしょうか。

(1)大学を出ていない  (2)博士号をもっている

2.「内気で詩が大好き」な女子学生がいるとします。彼女の大学での専攻はどちらの可能性が高いでしょうか。

(1)経営学  (2)中国文学

 

ニューヨークタイムズなんて読んでいると、いかにも知的レベルが高そうですね。そうするといかにも博士号をもっている人そうに思うかもしれませんが、博士号をもっている人なんてそうそういないわけです。圧倒的に大学を出ていない人の方が多いわけです。

「内気で詩が大好き」だといかにも文学好きが気がしますね。大学生全体の比率からすれば、中国文学専攻より経営学を専攻している人が圧倒的に多く、経営学を専攻している学生でも「内気で詩が大好き」な女子学生はいるでしょう。

ここでポイントは2点です。

1つは「基準率」です。全体を見渡したときの比率のことをいいます。上記の例では大学を出ていない人と博士号をもっている人の割合、学生の専攻を考えると経営学と中国文学とでは経営学専攻の割合のことです。上記の例ではいずれも(1)に相当する部分です。

もう1つは「代表性」。典型的な例とどの程度似ているか、ということです。上記の例ではニューヨークタイムズを読む人は知的レベルが高そう、とか「内気で詩が大好き」なら大学では文学を専攻してそう、ということです。上記の例ではいずれも(2)に相当します。

ここで大事な点では、確率論からいえば、最初に焦点を当てるのは「代表性」ではなく「基準率」である、ということです。上記の例からすれば博士号をもっている人はごく一握りですし、中国文学より経営学を専攻している学生の方が圧倒的に多いわけです。この「基準率」を無視して「代表性」にばかり目を向けてしまうとうまくいかないことが多いわけです。

明日のブログでは、これを仕事でいうとどういうことになるか、お伝えします。自分の欠点を指摘されるのは嫌でしょうが、お付き合いいただけると幸いです。

 

 

 

 

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