一昨日、日本産業カウンセラー協会から協会誌が届きました。特集は「新型うつ」。「新型うつ」ってご存知でしょうか。職場にいると「やる気がない」「もう死にたくなる」という一方、休みなるととたんに元気になってゴルフやコンサートツァーに熱中する・・・はたからみると、わけがわからない、ということで対応も従来型のうつの方より難しいのが実情です。

ご本人もつらいでしょうし、このような方と一緒にお仕事をなさっていらっしゃる方も対応が難しくてつらいでしょう。私は「新型うつ」の方のカウンセリング経験は少ないですが、かなり苦戦するので、思い出には残りやすいです。
「従来型のうつ」とは違って、薬がほとんど効かないこと、休養すれば治るというものではない、という点が難しいところです。

ではどうするのか? ここでは詳しくは述べないことにします。

それよりも・・・そもそも「新型うつ」なるものの背景が何かを考えると私たちの生き方にもなると思います。

結論からいえば、大きな背景は「自分の考えていることが重要だ、価値がある」という感覚がないこと、自分の考えや気持ちを人に十分聴いてもらった、という感覚が少ないことです。

「え、うそ~~」と思う方もいらっしゃるでしょう。

「従来型うつ」の方の場合、総じて病院に行ってうつの診断を受けることをよしとしないし、自分がうつであることをおおっぴらにはしないです。それに対して、「新型うつ」の方はうつの診断を受けることを望みます。自殺についても、「従来型うつ」の方の場合はよく考えた上人の迷惑にならないような死に方を選ぼうとするのに対し、「新型うつ」の方の場合は他人の迷惑を気にしないで見せつけるような方法を考えます。

そうなんです、自分の存在や存在感を人に強引にみせつけよう、というところに「新型うつ」の特色があるのです。つまり、子どものころから、人に世話はされてきたものの、自分の存在や考えを認めてもらえていないところに背景があるのです。別のいい方をすると、「面倒はみてもらった」けれど、「愛されてはいない」・・・。
職場に限らず、私たちの日常生活はどうなっているでしょうか。人と関わるとき、真剣に本気になって人と向きあっているでしょうか。自分で「やろう」と思ったことに対して、熱中して取り組んでいるでしょうか。
「新型うつ」の方と接するのは確かに面倒です。それでも、私も自分のことをふりかえって、どれだけ毎日を真剣に生きているか、人を大切に思って毎日を過ごしているか、自分の可能性と能力をどれだけ信じているか・・・今回産業カウンセラー協会から届いた協会誌をみて、そんなことを感じました。

最後に・・・専門家のことばと著書をご紹介します。「新型うつ」の方の対応方法については、こちらの著書で書かれています。わかりにくい部分があれば、私までお問合わせいただければ、お答えできる範囲でお答えします。

倉成央『あなたの身近な人が「新型うつ」かなと思ったとき読む本』

「私は、『新型うつ病』は、『その人個人の病気』という問題だけではなく、『社会全体のさまざまな問題のシグナル』でる気がしてならない。/今こそ、私たちがこの問題に向き合わなければならないと、警鐘を鳴らしているのではないだろうか。/私は・・・『これはこの会社での・・・会社と社員の関係そのものを見直す、またとない機会です』と話している。/『新型うつ病』の問題に直面したら、会社はなにかしらの『変化』を求められていると、とらえてみてはどうだろう。・・・私たちは周囲の人たちとよりよい状態を、よりよい関係を作り出す力を持っているはずだ。それが自分にとって大切なかけがいのない人たちなら、なおさらである。/自分の身近なところに『新型うつ』かな、と思われる人がいたら、その人とよりよい状態を、そしてよりよい関係を作る絶好の機会にしてほしいと願っている」(倉成央『あなたの身近な人が「新型うつ」かなと思ったとき読む本』すばる舎、2010年)。

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