おはようございます。

ジョゼフ・キャンベル『千の顔をもつ英雄』(平田他訳、人文書院)から、こんな一文をみつけました。

後でかみくだいて説明しますので、ちょっと難しいと思いますが、まずはお読みいただきたいと思います。

「一つの原因(自己分割する茫漠たる存在)が世界の枠組みのなかで二重の結果 ー善と悪ー を産み出している・・・敵対者、悪への道化の役づけも普遍的にみられる現象である。魔物たち -元気な間抜け者も切れ者も賢い欺き手もー は、いつも道化である。・・・魔物たちとは、影を実体ととり違えさせる者たちであり、影の領域に不可避的にまつわりつく不完全性を象徴していて、われわれが此岸にとどまるかぎりかれらのベールをとりはらうのは不可能である」(下巻、116ページ)。

あなたの職場に「魔物・道化」はいませんか。
悪魔

魔物=道化としましょう。あなたの職場にいる魔物=道化とは何でしょうか。キャンベルのことばを使えば、「魔物たちとは、影を実体ととり違えさせる者」です。ここでいう影とは、私たちが日中歩いている影のイメージで、私たちの心の世界に住んでいるあまり認めたく存在です。

それは何を意味しているのでしょうか? ここでキャンベルのことばを復習すると、「影の領域に不可避的にまつわりつく不完全性を象徴」している、つまり自分の欠けているもの、欠点だったり、短所と呼ばれるようなものです。こんなものは、普通は認めたくないものです。

そして、キャンベルにいわせれば、それは「不可避的」、つまり人間誰でももっているものであり、「われわれが此岸(注・私たちがすんでいる「此の(この)」世界)にとどまるかぎりかれらのベールをとりはらうのは不可能」なわけです。

本題に戻りましょう。あなたの職場にいる「魔物=道化」は何ものでしょうか。そうです、「不完全」な自分です。自分の欠点・短所は認めたくありません。とくに完璧主義的な傾向の強い人は完全であることを人にアピールするために、自分の欠点や短所を認めないで、完璧に仕事をしようとします。そしてどうでしょう、完璧な仕事なんぞ、ありえないのです。ある人は「いいね!」というかもしれないし、ある人は「自己満足なんじゃない、誰もそんなこと気にしてないよ」というかもしれません。

できなかったり、自分の欠点を人に指摘されると、反発すると同時に自分を責めはじめます。

私はダメのイメージ

その自分の欠点や短所を今度はまるでプロジェクタで映すように(投影)、相手のなかに無意識でみるようにするのですね。そうすると、自分を責めるのと同じような方法で、相手=魔物=道化を責め始めるのです。

プロジェクタ

というわけで・・・職場の人間関係を考えたときに、「魔物」はあなたの職場にいるわけではなく、あなたの心のなかに住んでいます。

「人にやさしくなりましょう」「人を受け入れましょう」「人をほめましょう」「人を認めましょう」・・・私はそんな「人」に焦点をあてた類のことは一切いいません。

まず、一生懸命がんばっている、きっちり仕事をしている・・・そんなあなたをまず認め受け入れることから始めていただきたいと思います。

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