ライオンとドラゴンの戦い

ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った』

おはようございます。

英雄の法則」に絡めて昨日からニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った』の「三段の変化」について書いています。「英雄の法則」では、人は「分離→通過儀礼→帰還」を経て誰でも英雄になれる、という話でした。「三段の変化」では「ラクダ→ライオン→子ども」です。「ラクダ」は忍耐・ガマンがキーワードでした。そんな苦しい人生からコーリングがきて、人は試練の道に旅立ちます。それが「英雄の法則」でいう「通過儀礼」で、「三段の変化」では「ライオン」に当たります。今日は「ライオン」についてお話します。

まず、ニーチェのことばを引用します。

ライオン

しかし、もっとも荒涼たる砂漠のなかで第二の変化がおこる。ここで精神は獅子となる。精神は自由をわがものにして、おのれの求めた砂漠における支配者になろうとする。

精神はここで、かれを最後まで支配した者を探す。精神はかれの最後の支配者、かれの神を相手取り、この巨大な竜と勝利を賭けてたたかおうとする。

精神がもはや主なる神と呼ぼうとしないこの巨大な竜とは、なにものであろうか? この巨大な竜の名は「汝なすべし」である。だが獅子の精神は「われは欲する」と言う。

獅子の精神の行く手をさえぎって、この有鱗類の「汝なすべし」が、金色燦然(こんじきさんぜん)と横たわっている。鱗の一枚一枚に「汝なすべし」が金色にかがやいている。

千年におよぶもろもろの価値が、この鱗にかがやいている。ありとある竜のなかでももっとも強大なこの竜は言う、「物事のいっさいの価値、 -それはわたしの身にかがやいている」と。

「いっさいの価値はすでに創られてしまっている、 -いっさいの価値-それはこのわたしなのだ。まことに、もはや『われは欲す』などはあってはならない!」こう竜は言う。

わが兄弟たちよ! なんのために精神において獅子が必要なのであろうか? 重荷を背負い、あまんじ、畏敬する動物では、どうして十分でないのであろうか?

新しい価値を創造する、 -それは獅子にもやはりできない。しかし新しい創造のための自由を手にいれること- これは獅子の力でなければできない。

 

自由を手に入れ、なすべしという義務にさえ、神聖な否定をあえてすること、わが兄弟たちよ、このためには獅子が必要なのだ。

新しい価値を築くための権利を獲得すること -これは辛抱づよい、畏敬をむねとする精神にとっては、思いもよらぬ恐ろしい行為である。まことに、それはかれには強奪にもひとしく、それならば強奪を常とする猛獣のすることだ。

竜・ドラゴンのイメージ

偶然にも「竜」、「ドラゴン」がでてきました。「英雄の法則」でも、通過儀礼で戦う相手はドラゴンなのです。ドラゴンの本当の正体が何かは別として、今日はニーチェがいっていることに焦点を当てます。ニーチェはドラゴンの正体を「汝なすべし」ということばで表現しています。これは何かというと、社会の価値観です。だいたいが「~すべき」ということばで表現されるものです。「子は親に尽くすべき」「上司の命令に従うべき」「人に嫌われてはいけない」「自分より他人を優先すべき」「人に気を遣わなければならない」・・・あるいは「常識」なんかもこれに当てはまります。「人生楽あれば苦もあるさ」なんて、本当にそうでしょうか? 「宿題は毎日やるもの」、毎日やった方が効率がよい人と、一度にまとめてやった方が効率がよい人、人それぞれ特色があるでしょう。あるいは、頭のなかで無意識につぶやくメッセージもこれにあたります。「ちゃんと」「きちんと」「しっかり」「がんばれ」(業界用語で「ドライバー」といいます)、「~までは」(例、仕事をきちんとするまでは飲みに行ってはいけない、私は飲んでからの方が仕事がはかどることだってあります)。・・・体の使い方も同じです。「背筋を伸ばして」なんて下手いえば、やり方一つ違えれば首や背中の緊張を高めるだけですし、マナー研修でやるように「頭が天井からつり上げられるように」と頭を上の方向に向け続ければ、神経だっておかしくなります。こうした「汝なすべし」が、ニーチェにいわせると、ドラゴンの鱗、一枚一枚に輝いている、というわけです。
このドラゴンの鱗が、人間の自由や能力の向上を縛りつけているのです。

ライオンの仕事は新しい創造のための自由を手にいれることです。

そして新しい価値を創造するのは・・・

赤ちゃんのイメージ

あしたは「子ども」の話をします。英雄は「帰還」するのだ、ということを頭に入れておいてください。

 

 

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