おはようございます。

昨日はゴードンの考え方をもとに、誰が問題を持っているかについて述べました。今日はその続きですが、昨日よりちょっと複雑です。昨日、問題を出しましたね。

面接のイメージ

カウンセリングの場面です。ある親御さんがお子さんのことでご相談にいらっしゃる場面です。

「ウチの息子、30歳になるんですが、家に引きこもっていて、就職もしていません。ウチの息子、どうしたら就職できるようになるでしょうか」。

さあ、誰でしょう。昨日より複雑なのは、登場人物が2人から3人になることです。

3人!!!! そう、3人です。

親御さん、カウンセラー、そしてここにいない息子さんです。問題をもっている人が誰かに気づかずに面談を進めたら、どうなるでしょうか。

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親御さん「ウチの息子、30歳になるんですが、家に引きこもっていて、就職もしていません。ウチの息子、どうしたら就職できるようになるでしょうか」。

カウンセラー「何事も小さなステップが大事なんです。家に引きこもっているのであれば、息子さんの就職の問題の前に引きこもるから出ることを一緒に考えませんか」。

親御さん「そうですか。でも、私としたら、息子の就職のことが何よりも気になるのです」。

カウンセラー「そうはいってもですね・・・(ここで説教じみてくる)」

親御さん「カウンセラーの先生、そうはおっしゃってもですね・・・(カウンセラーの機嫌をとるフリをして「お前のいうことなんぞ聴かないぞ!」となる)」

と面談はグチャグチャになって、お互いが不満で終る・・・

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一見すると、問題を持っているのは息子さんに見えるかもしれませんが、実は問題を持っているのは親御さんです。

したがって、「ウチの息子、30歳になるんですが、家に引きこもっていて、就職もしていません。ウチの息子、どうしたら就職できるようになるでしょうか」。

と相談に来たら、カウンセラーが打つとりあえずの一手は・・・

「30歳になって家に引きこもっていて就職していないお子さんをみて、あなたは何を思いますか、何を感じていらっしゃいますか」

と親御さんの思いや考えに寄り添うことです。この際、息子さんのことはどうでもいいのです。

(ただし、私の場合、ハードルを下げるために、「まず詳しい状況をうかがいます」と話したいだけ話していただいてから、上記の質問に入ります)

ここで、親御さんが自分の気持ちに気づき、引きこもって就職できていないにしても子育てに一生懸命だった自分に気づき、自分にねぎらいのメッセージをかけることができれば、気分がすっきりして親御さんも、カウンセラーも納得のいく面談になるでしょう。

問題の根本は、「引きこもりは悪いことだ」「30歳にもなる息子が就職をしていないとみっともない」と社会の価値観や体裁に合わせていること、つまり自分らしい価値観で生きていないことが問題なわけです。

他人を変えることはできないので、このケースの場合、親御さんのストレスを減らして自分のことを受け入れ、もともともっていた息子さんへの愛情を十分に感じて息子さんとの対話をスムーズにしていくことがカウンセリングのとりあえずのゴールになるでしょう。

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で、何がいいたいのか、というと・・・

3人になると、以下のように問題がややこしくなります。ギョーカイ用語でいうと、「ドラマ三角形」といいます。

ドラマ三角形のイメージ

上記の例の場合、この三角形をつくる「仕掛け人」は「被害者」である親御さんです。「自分の息子は30歳にもなるのに家に引きこもっていて就職もしていない、私はどうしたらいいのか、こんなに困っている」と、息子さんを「加害者」に、カウンセラーを「救済者」に仕立てています。

カウンセラーはこの図式を少なくとも3秒以内で見抜く必要があります。もし見抜けなければ、上記のような罠にはまり、今度はカウンセラーが「加害者」「被害者」に役割を交代することになります。この面談が1回で終われば、2回目、3回目になれば、泥沼にはまるだけです。

家に帰った親御さん、息子さんとこんな会話になるでしょう。

親御さん「今日カウンセラーの先生のところへ行ってお前のことで相談してきたよ。でも、私はどうしてよいかわからない。あのカンセラーの先生のいうことなんて、あてにならない」(今度は「加害者」の役割になります)

息子さん「僕のことでカウンセリングなんか受けに行ってくれたんだ。僕のことで心配かけちゃってごめんね」(ここで「救済者」の役割になります)。「でも、僕だって悩んでいて、どうにもならないんだ」(つまり、「親のいうことなんて絶対に受け付けないぞ!」と「加害者」の役割になります)。

ドラマ三角形の特色は、役割をくるくる交代して、いつまでたっても解決に至らず、不快な気分が永遠に残り続けることにあります。

ガマン

会社のなかでも、同じようなことはないでしょうか。

社員:「課長、今回の企画、部長から自分で考えるようにいわれたんですけれど、一向にアイデアがでてきません。どうしたらいいでしょうか」

(この場合は部長が「加害者」、社員が「被害者」、課長が「救済者」)

課長:(救済者として)「そうか、じゃあ、こんなアイデアはどうかな?」

(ドラマ三角形にはまらないのなら、「その話は私も部長から聞いている、君はそんな難しい仕事を直接部長から任されるなんてスゴイじゃないか」と一旦気持ちを受け止め、「それで君はいままでどんなことを考えてきたんだね」とまず相手の話を聴いて考える雰囲気づくりをした上で、「君は本当はどうしたいと思っているかな?」と、相手が考えていることを引き出します。自分の意見をいうならその後です。)

社員:(今度は加害者として)「いや~、それだとコストの面でリスクが・・・」(と課長に抵抗する)

課長:(今度は被害者として)「じゃあ、こんな案ならどうだろう・・・」(いくら社員に解決策を提示しても拒否され続け、無力感を感じ始める)

・・・・

部長(救済者として)「いま、君たちは、例の企画について話し合っているのかね」

課長(今度は加害者として)「はい、話し合っています、ところが、○○君が私の提案を受け入れてくれなくて困っているところです。部長もこの企画自体無理なような気がしますが、どうでしょうか」

部長(今度は加害者として)「何をいっているんだ!社運がかかっているんだぞ!」

・・・・

人間関係で問題は誰が抱えているのか、背景を含めて読み取ることが大切ですね。

 

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