おはようございます。

近年、会社の業務に対して、社員のご両親が口を出してくる、というケースが多くなっているという話を聞きました。そんな話を聞いて、7年前に読んだ本を思い出しました。

田北百樹子『シュガー社員が会社を溶かす』(ブックマン社、2007年)。改めて読むとそのすさまじさを感じます。田北さんは社会保険労務士で、会社内でのトラブルの相談をよく受けるようになったそうです。「シュガー社員」とは、お砂糖のように甘く、会社を溶かしていくような問題社員のことを指しています。

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著書が出版されたのが7年前のことですから、いまあなたの会社ではさらに深刻なのではないでしょうか。「新型うつ」ということばが出るか出ないかくらいのころだと思います。

改めて読んで、「何だろう?」と思う奇妙なことばに出くわしました。「ヘリ親」?

ヘリコプターペアレント」のことです。ヘリコプターペアレントとは?

1990年、アメリカの医師フォスター・クラインという人が使い出したことばだそうで、ヘリコプターのように上空で待機していて、いつでも自分の子どもに不快なことや都合が悪いことがあったら降下して、子どもの敵に攻撃をしかける親、という意味です。

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日本ではむしろ「モンスターペアレント」ということばが定着しているようですが、同じような意味のことばと考えてよさそうです。

田北さんの著書の事例を2つご紹介します。

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(ヘリ親)「娘がもう会社へは行きたくないと申していますので、このまま辞めさせてください」

(上司)「・・・直接お話がしたいのですが」

(ヘリ親)「本人が嫌だといっていますので」

(別の上司)「では退職手続きを取ります。会社からお返しするもの、本人から返却してもらうものなどありますので、一度会社にいらしていただけないでしょうか。自己都合ですから、辞表も提出していただかないと」・・・

次の日、会社にやってきたのは・・・母親でした。

「これがお返しするものです」と制服や保険証を持ってきたのですが、クリーニングして返却するのが常識のはずの制服は無造作にたたまれ、シワのできている状態でした。母親は無言でロッカーの荷物を取り出し、帰り際、「ご迷惑おかけしました」や「お世話になりました」の一言もなく、淡々と会社を後にしました。

(39~40ページ)

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(父親)「なぜウチの娘を残業させるんだ。お宅の会社では5時になったら帰ってもいいんだろう!」・・・

(上司)「なるべく定時に帰っていただくようにしますが、忙しいときは残って仕事をしていただくことも年に何回かはあると思いますが」

(父親)「気をつけたまえ。嫁入り前の娘を深夜まで働かせ・・・るとは! あなたの良識を疑うよ。もしも残業させるときは、かならず上司のあなたからウチに事前に連絡をよこしなさい」

(43~44ページ)

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この例に出てくる上司の方も非常に工夫して慎重に対応している様子がうかがえます。このブログを読んでくださっているあなたにこんな経験があったとしたら、たまらないでしょう。さらに、「シュガー社員」でも何とか仕事をしてもらうのには、相当気を遣っていらっしゃるのではないでしょうか。このつらい状況でもお仕事をなさっているあなたに心から敬意を表します。

そして、ごめんなさい、私には対応の経験がありませんので、私のことばで対応方法について述べることはできません。田北さんの著書で使えそうなことばを1つご紹介するとすれば、「もしも、<ヘリ親>がへばりついている社員を真っ当に育てたいと思うのならば、『親御さんがついていないと何もできないような社員には、プロジェクトを任せられません』と、まずは<ヘリ親>に釘をさしてみるのも一手です」(45ページ)。

<シュガー社員>は甘ったれですが、ワルではありません。仕事を通して得られる達成感は、やり遂げた者にしか味わえません。もともと『好きなことには一生懸命』ですから、仕事に興味を持ってもらえばいいのです。/<ヘリ親>から独立させるには、仕事の達成感を体感させるしかないのです。もしも彼らを大人にさせたいのであれば、とりあえずは頼りになる兄貴分や姉御がいるセクションに配置し、お姫様、王子様のように扱い、じっくりと仕事を教えていくのです。・・・<シュガー社員>の教育係には、一流のホスト並みのあしらいのうまさと、どんな人にもとびきり笑顔で対応できるような忍耐力が必要ということになります」(76ページ、強調部分は引用者)。

ことばでいうのは簡単です。そして実行はかなり難しいと思います。私が経験したことがないことをよく実行していらっしゃると思います。

毎日お仕事、本当におつかれさまです。