常識、一歩踏み込んで自分の考えをもつ

おはようございます。

昨日はトマス・ペインの『コモン・センス』を通じて、「常識」的な考えでなく、私なりの考えを述べました。専門家からみれば拙い考えでしょうが、どうでもいい話です。誰が何といおうとも、私の考えです。

今日はもう一歩踏み込んで、アメリカの独立を例に、「常識を疑って自分の考え・意見をもつ」ことをします。

その前に、昨日のペインの考え方をおさらいします。政治的・理念的な意味でアメリカはイギリスから独立すべきことを必ずしも説いているいるわけではなく、経済的なことにもかなり触れています。

「われわれが考えているのは貿易である。貿易は常にアメリカを守ってくれるだろう。・・・ヨーロッパはわれわれの貿易市場なので、どの国とも偏った関係を結ぶべきではない。ヨーロッパの紛争に巻き込まれないようにするのが、アメリカの真の利益だ。しかしイギリスに依存して、その政治の天秤のおもりに利用されているかぎりは、そうはいかないのだ」(48〜49ページ)。

「わたしはうぬぼれやや党派心や怨恨に駆られて、分離独立を支持するようになったのではない。・・・分離独立することが大陸の真の利益である、・・・」(55ページ)。

それでは、ここでペインがいっている「貿易」とは何のことでしょうか。「コモンセンス」では触れられていませんが、おそらく「三角貿易」のことだと思います。

3trade

お察しのよいあなたはこの図をみただけで、たぶん私が申し上げたいことが何なのか、ご理解いただけるでしょう。

イギリスは植民地であったアメリカに対して、砂糖に対する税金をたくさんかけていました。これに対してアメリカの人々の間でイギリスの支配に対する不満が高まり独立戦争に至るわけです。砂糖は当時流行が始まる紅茶を飲む際の必需品となり、またラム酒の原料でした。ラム酒はイギリスがアフリカの王を、アメリカの白人が先住民である「インディアン」を支配する道具でした。そして、カリブ海の地域でサトウキビを栽培するのに大量の黒人奴隷がアフリカから連れてこられていたのです。

以下の図はアフリカからアメリカに奴隷を連れてくるときに使われた船の設計図です。詰めるだけ詰め込んでいた様子がご理解いただけると思います。

slave_ship

「奴隷船の貨物は505名の男女 ー乗組員は海上17日の間に55名を海中に投げすてていたー で、これらの奴隷は『すべて甲板の下の、鉄格子のついた昇降口につめこまれていた。その場所はひじょうに低いので、彼らはお互いの足の間に坐り、またびっちりとつめこまれていたので、夜であろうと昼であろうと、横になることや場所を変えることさえできなかった。彼らはだれかに所有されるものであり、所有主とは別な人間によって輸送されているのだから、羊のように、所有主のさまざまな形の焼印が押されていた。胸の下または腕に焼印を押され、船員が全く冷然と教えてくれたところでは、灼熱した鉄で焼かれたとのことであった・・・」。

(B.デビッドソン『ブラック・マザー』(内山訳、理論社、1991年、12〜13ページ)

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ペインが『コモン・センス(常識)』を発表した後、1776年7月4日、アメリカは独立宣言を発表します。

1776年のアメリカ独立宣言にはつぎのようなことが書かれています。

「すべての人は平等に造られ、造化の神によって、一定の譲ることのできない権利を与えられていること。その中には生命、自由、そして幸福の追求がふくまれていること」。

平等、自由、幸福の追求・・・政治的にみればアメリカの独立はきれいごとで済むかもしれません。そして、それが「常識」でしょう。

そして経済の問題に目を向けたとき、きれいごとでは済まされない、基本的な人権を無視した問題が背後に潜んでいることがご理解いただけると思います。

アメリカは独立した後、自由と平等をうたう一方で、「インディアン」を制圧します。そして綿花を栽培するために黒人の人々が奴隷として使われたのです。その後アメリカの歴史のなかで黒人問題が深く横たわっていることは、もうここではこれ以上触れないことにします。

peace

昨日から、『常識(コモン・センス)』という刊行物を通して、「常識」を疑い、私の考えをあなたに述べました。もしかしたら、歴史の話なんかに退屈しているかもしれません。そして最後に出てきたことは何でしょうか。「常識」の裏に隠れてみえにくい、黒人奴隷の問題にまで行き着きました。そしてこれはあくまでも私の考えです。

私の考えではあっても、私とあなたが平和で安全な社会のなかで生きて上で、とても参考になるヒントがみつかっていませんか。私たちが食べているもの、着ているもの、使っているものは、どこでどのような人が作っていますでしょうか。ここに目を向ければ感謝の気持ち、物を大切にする気持ちも作りやすくなるでしょう。「常識」を自分の目で点検し、自分の考えを深めていけば、きっと自分に自信が高まるのはもちろん、人に対する思いやりの気持ちも膨らんでくるのではないでしょうか。

 

 

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