おはようございます。

「採用活動は会社の将来を考える上で非常に重要」まさしく、その通りでしょう。そして、その採用活動を担当するあなたは悲鳴を上げているのではないでしょうか。

あなたの仕事はうまくやって当たり前で社風に合わない人材を採用しようものなら他部署から文句をいわれる・・・そんな状況のなかでお仕事をされているのではないでしょうか。

今日はそんなあなたに一つの考えをお伝えします。

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』(上、早川書房、2012年)の一部をご紹介します。カーネマンは行動経済学者として非常に有名な人で、2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。そして経済学者、というよりも心理学者であり、統計の達人でもあります。

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』上 行動経済学

そのカーネマン、イスラエル軍でもいろいろ仕事をしており、若いころは「心理部隊」に配属されていました。彼の仕事の1つは幹部養成学校に送り込む候補者を選抜することでした。当時第二次世界大戦中にイギリス軍が開発した「リーダーのいない集団の課題」というテストを導入していたそうです。簡単にいうと、8名1組にして長い丸太を移動させ、誰がリーダーに向いていそうか判定する、という仕事だったそうです。

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みていると、将来のリーダーになれそうな感じの人はみえるそうですが、カーネマンは、ほとんどこの評価がほとんど役に立たないことを知っていたようです。

あなたの会社でも似たような話はないでしょうか。

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採用時に行うグループディスカッションやらグループワーク、果ては焼肉面接、集団面接、個人面接・・・役に立たない、なんて思ったらさぞかしショックではないでしょうか。

カーネマンはポール・ミールという人の研究を引用して説明しています。訓練を積んだ専門家の予測と、ルールに基づく統計的予測とではどちらが勝つか・・・もちろん統計的予測が勝つ、というわけです。

ではどうするのか。

カーネマンによれば、6つくらいの適性の項目をまず決めるそうです。技術的な理解力、社交性、信頼性、などなど、できるだけ独立した形で6つ決めます。そして5段階評価でも、強い・弱いの2段階の評価方法を決めます。あとは、冷徹に徹して判断する、そうです。

とはいえ・・・カーネマンも正直に述べています。

「新方式で数百回の面接が行われ、数カ月後に新兵が配属された各部隊の隊長から各人の実績評価を回収した。結果を見て私たちは大いに満足した。ミールの本が示したとおり、・・・新しい面接方式が従来の方式よりはるかに正確に兵士の適性を予測していたからだ。もちろん完璧にはほど遠く、『まったく役立たず』から『いくらか役に立つ』へと進歩した、と言うのが適切であろう」(334ページ)。

勉強熱心なあなた。採用面接のスキルを磨くためにどのくらい時間とお金をかけてきましたか。勉強しても勉強してもうまくいかない・・・なんて思ったらつらくなります。

完璧でなくていい、あなたはもう十分にがんばってきました。