おはようございます。

昨日は、白雪姫の継母はグリムの創作であり、もとは生母であること、生母と継母の違いを明確にしたことによる問題についてお伝えしました。

今日は、白雪姫の生母と継母との共通点について書きます。

白雪姫の冒頭部分から生母のについて引用します。

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お后は、「雪のように白く、血のように赤く、窓わくの木のように黒い子がほしいなあ」とひそかに思いました。それからしばらくして、お后に女の子が生まれました。この子は(肌が)雪のように白く、(ほおが)血のように赤く、黒檀のように黒い髪をしていました。そこで白雪姫と名づけられました。

(『完訳 グリム童話集3』野村訳、筑摩書房、1999年、52ページ)

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今度は継母についてです。

(継母は)「鏡や、壁の鏡、国じゅうでいちばん美しいのはだれ?」

と聞くと、鏡は、

「お后さま、あなたがここでいちばん美しいかた。けれども、白雪姫はあなたより千倍も美しい」

と答えました。それを聞くとお后はひどくおどろき、ねたましくて悔しくて、顔から血の気がうせました。そのときからお后は、白雪姫を見るたびに、心臓が体のなかでひっくりかえりました。それほどお后はこの娘をにくんだのです。ねたましさと悔しさが、お后の心のなかで雑草のようにはびこり、そのためにお后は、夜も昼も心の休まるひまがありませんでした。

(54ページ)

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生母と継母の共通点は? 外見の美しさ、見た目にこだわっている点です。

白雪姫の継母は、本当は生母です。白雪姫のお母さんは、自分にも子どもにも外見の美しさや見た目にこだわっていることがご理解いただけるでしょう。その外見の美しさとは誰が決めているのでしょうか。継母が鏡に「鏡や、壁の鏡、国じゅうでいちばん美しいのはだれ?」と他人に問いかけているように、社会が求める基準です。別のいい方をすれば、白雪姫のお母さんは社会に正解を求めて自分がないのです。

昨日もお伝えしたとおり、人間は「美しさ」と「醜さ」をもっています。極端に「美しさ」を求めれば「醜さ」を否定し、自分や他人の「醜さ」を否定します。白雪姫の話を現代にあてはめれば、学校の成績に価値を見いだしたり、習い事・お稽古ごとを押し付けたり、ひいては虐待の問題まで引き起こします(子どもがすることの「汚い」「醜い」「悪い」を受け入れれば、ここまで虐待の問題も深刻ではないでしょう)。

人と自分は違う生き物です。自分の考えや価値観に正しさを求めるのではなく、許可を出すことができれば、より自信に満ちた人生を歩めることでしょう。

正解を求めて本来の自分がわからなくなるのはつらいことです。

これまで真剣に人生を歩んできたあなた。さぞかし苦難を乗り越えて自分をつくってこられたことでしょう。これからもぜひ苦難を乗り越えて、素敵な新しいあなたに出会えること、楽しみにしています。